昨日見た夢
私の部屋は汚い。そこへ弟が遊びに来た。
床を見ると、チョコレート1個が落ちていた。よく見ると、動いている。
「虫がいる」
ひょいと摘まみ上げると、裏側にゴキブリがいて、そいつがチョコレートを運んでいたのだ。
「ゴキブリめ!」握り潰そうとする私。(もちろん、普段はそんな事は出来ないが)
握り潰す瞬間、羽根に綺麗な模様があり、ゴキブリではなく愛らしい昆虫であるとわかったが、手が止まらない。
その虫は大きめのカナブンのような虫だったが、私に潰され、息も絶え絶えとなった。
しかし、半分潰れながらもまだ生きており、灰皿の積み上げに載せると、苦しそうにバタバタしている。
可哀想になり、チョコを与えると、余程食べたかったのか、モグモグ食べているようだ。(虫は雌のようだ)
後で見ると、虫は息絶えていた。凄まじく後味が悪い。
しばらくして、灰皿がゆっくりではあるが動いているのに気がついた。灰皿をめくると、雄の虫が灰皿を動かしていた。
灰皿を持ち上げると、その虫がハサミも動かしていた。そのハサミで私に復讐を企てようとしているのだ。
同じ部屋にそんな物騒な虫はいらない。所詮は虫、ハサミを取り上げ、虫をつまみ上げた。
その瞬間、私は見た。自分の無力さに対する無念が浮かんだ、私に対する復讐心に燃えたその虫の阿修羅の顔を。
私はその虫を殺した。凄まじい後悔。
弟は「墓を作ってやろうよ…」と一言。
私に殺された二匹の虫は恋人、あるいは夫婦だったのだろうか。
犬や猫、鳥には間違いなく愛情が存在することを我々は知っている。
昆虫にもあるに違いない。私はそれを破壊したのだ。
その二匹の虫の無念さと呪い。私は彼らに決して許されないだろう。
考えてみれば、実生活で私も幾人かの呪いを受けて生きている。
私は聖人ではない。極悪人でもないと思うが。
会わなくてよかった人間、結果として邪魔でしかなかった人間、いろいろ居た。
私が幾人かに呪われているのと同様、私も生涯、許す事はない。
しかし、夢の意味は? 他人を許せという事なのだろうか。
呪いは人を不幸にするからか。私にはわからない。
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